「地域が支えるラジオ局」 |
2010-02-14 Sun 01:49
『随想』2月12日(神戸新聞)より
神戸市長田区にある「FMわぃわぃ」は、 震災を契機に始まったコミュニティ放送局だ。 情報発信の必要性を感じた市民たちで立ち上げた「りっぱな海賊放送局」が、 震災の一年後に認可を得て正式開局するときには “太平洋にイカダでこぎだす気分”であったという私自身のコメントが、 当時の神戸新聞にも載った。 コミュニティ放送局というのは、FMラジオ局のうち、地域を放送エリアとし、 まちの活性化に役立つことを目的とする。 FMわぃわぃの開局は全国で25番目だが、今では235局になった。 先日、FM三木とFM宝塚と共同で 「コミュニティラジオ―地域の中で果たす役割と可能性」 というシンポジウムを開催した。この模様は、2月15日から21日までの間に、 兵庫県内11局のコミュニティ放送局で特別番組として放送される。 災害時、地域のメディアとして身近な情報を提供するという 大切な役割は言うまでもない。 しかし、この小さなメディアがマスメディアと大きく違うのは、 情報を提供する側と受ける側という一方通行ではなく、 受け取った側も発信する双方向の関係性にある。 つまり、地域住民自身が発信に参加し、市民活動を促進する コミュニケーションの道具や場としてのメディアなのだ。 そしてFMわぃわぃは、住民の中でも発信する機会の少ない、 少数者として地域に暮らす障がいのある人や外国出身の人たちの 視点を大切にした、10言語の多文化・多言語の放送局である。 運営/経営をするのも市民自身で、それを支えるのは、 カトリック教会や仲間のNPOなど。 このように、公的な役割を果たしている放送局であっても、 継続させるためのしくみや制度がまだないので、 多くの人の協力が必要だ。 FMわぃわぃもメディアなのに、毎年震災の頃が近づくと、 取材対象としてメディアが殺到する。 いつになったらFMわぃわぃのようなラジオ局が めずらしくない日がくるのだろうか? (by 吉富志津代) |
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